私が保有している高配当株「武田薬品工業(4502)」の2022年3月期第2四半期決算が発表されましたので、銘柄情報及び、決算内容について紹介したいと思います。
銘柄紹介
- 業種:医薬品
- 株価(2021/10/28終値):3,165円
- 予想配当利回り:5.68%
- PER:27.0
- 自己資本比率:42.4%
- 一言メモ:配当は年間配当金180円の確立した配当方針を維持
※2021年10月28日調べ
日本最大の製薬会社です。2019年にアイルランドの製薬会社シャイアー社を6兆2000億円で買収しています。買収により世界最大の市場である米国におけるプレゼンスが向上しました。2021年の統合報告書の財務実績には次のように記載されています。
タケダは、「常に患者さんを中心に考える」という価値観を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品企業です。さらに進化を加速せることにより、患者さん、株主の皆さま、そして社会全体に長期的な価値を提供していきます。シャイアー社の統合が完了し、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の5つの主要ビジネスエリアが成長を牽引し、グローバルな市場機会に対応する地理的拠点を有し、持続的な成功を可能にしています。
2021 統合報告書
EPS、配当金、配当性向の推移
EPS (円) | 一株配当 (円) | 配当性向 (%) | |
---|---|---|---|
2022(予) | 117.35 (従来158.98) | 180 | 153 (113) |
2021 | 240.72 | 180 | 75 |
2020 | 28.41 | 180 | 634 |
2019 | 140.61 | 180 | 128 |
2018 | 239.35 | 180 | 75 |
2017 | 147.15 | 180 | 122 |
2016 | 102.26 | 180 | 176 |
2015 | -185.37 | 180 | 赤字 |
2014 | 135.1 | 180 | 133 |
2013 | 188.16 | 180 | 96 |
2012 | 157.23 | 180 | 114 |
2011 | 313.89 | 180 | 57 |
2010 | 377.05 | 180 | 48 |
EPS、配当金は成長していませんし配当性向が常に高めなのは気になりますが、一株配当は一貫して180円で安定した配当実績になっています。増配の期待はできませんが安定した配当を重視する方には魅力的だと思います。
財務状況
2019年の投資CF、フリーCFが大幅にマイナスとなっているのはシャイアー社買収に関連する費用の影響です。自己資本比率が右肩下がりになっていて2019年に40%を切っているのは気になりますが、2021年に40%以上に復帰していますので財務に関して問題はなさそうです。
株価推移
ここ20年間の株価はおよそ3,000円~8,000円の間で推移しています。2021年10月28日の終値は3,165円ですので現在は安値圏になります。
10月6日に新薬開発に関してネガティブなニュース(TAK-994のフェーズ2 安全性懸念による治験中断)が発表され、株価が大きく下落しています。TAK-994は24年度上市を予定しており、ピーク時売上高は40~60億ドルを想定している重要な開発品である為、開発方針の変更及びその他の開発品への影響が懸念されています。
決算(2022年3月期 第2四半期)
業績進捗率(経常利益)
売上高、EPS
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | |
売上高 (前年同期比) | 9496億円 (18.4%増) | 1兆7944.23億円 (12.8%増) | ||
EPS (前年同期比) | 87.96円 (66.2%増) | 117.08円 (111.1%増) |
売上高は前年同期比12.8%増の1兆7944.23億円、EPSは前年同期比111.1%増の117.08円となりました。
今後の見通し
2022年3月期の売上高は前期比5.4%増の3兆3700億円、経常利益は同3.9%減の3520億円に据え置き、EPSは同51.2%減の117.35円(従来予想は158.98円)に下方修正しました。また、年間配当予想は180円に据え置きました。
EPSが下方修正になった理由は、「Shire社がAbbVie社からの買収申し出の取り下げに関連して受領した違約金に対するアイルランドでの課税をめぐる税務評価から生じた税務費用を反映したもの」とのことで、本業に起因しない非定常的な事象から生じたもののようです。
10月28日に自己株式取得について発表がありました。取得しうる株式の総数は3500万株(上限)、取得価格の総額は1000億円(上限)、取得期間は2021年11月2日から2022年4月29日まで、取得方法は信託方式による市場買付とのことです。
まとめ
「武田薬品工業(4502)」の銘柄情報、決算内容について紹介いたしました。2022年3月期第2四半期決算はEPS 111.1%増、通期予想を下方修正と良くない内容でした。興味を持った方、詳細を確認したい方は企業のHPを確認することをお勧めします。
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